竹でできた大根おろし器のことを鬼おろしと昔から呼んでいます。なぜ鬼おろしかというと、竹の刃が鬼の歯を連想させることからこのように言われています。
竹は熱の伝導率が低いため、おろす際に熱を持たずに素材を荒いままの状態でおろすことができます。そのため水分が程よく残り、粗いざくざくとした大根おろしが出来上がります。大分県で作られている国産の鬼おろしですが、多くの方に使っていただきたい台所道具です。
竹の刃は鋭いですので、大根が小さくなってきましたら無理をせず、残った大根はお味噌汁に入れるなど他のものにご活用下さい。手を痛めてしまうこともありますので、お気をつけ下さい。私は上の写真くらいの大きさで、おろすのはやめて残った大根は他のものに使用しています。
おろした大根は上の写真のように、粗い仕上がりです。大根をそのまま食べているような食感で、繊維がつぶれていません。そのまま大根おろしを食べるときなどは、ぜひお試ししてみて下さい。金属のおろし器とは異なった美味しさを感じることができます。
竹の鬼おろしは乾燥や湿気には弱い品物です。適度にお使いいただいている時は心配ありませんが、使わないまま置いておくと乾燥で割れたりすることはございます。適度に使って水分にさらしながら、使い終わった後は水気を拭き取り良く乾かしてあげてください。
上の写真は新しい物と使い込んだものの比較になります。上は新品ですが、下は8年以上は使っております。だんだんと青かった竹が黄味を帯びて味わい深くなっていきます。
色合いも変わっていきますが、刃の鋭さも変わっていきます。最初は刃の鋭さが痛いくらいですが、使っていく内に丸みが少しでてきて扱いやすくなっていきます。ただ丸みを帯びていきますが、刃の強度は変わらずきれいな大根おろしが出来上がります。その様子は何となく優しい気持ちになっていきます。
使い終わった後は水気を拭き取り、壁などに吊して乾かしていただくと良い状態が保てます。
昔から作られている味わい深い竹の鬼おろし、ぜひ毎日の台所道具に加えてあげてください。
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